日本酒国内事情

業界についての豆知識!
先日「海外での日本酒ブーム」について解説しましたが、今回は国内版です!
日本酒だけでなく、酒類全般の国内市場も併せて解説致します。

【各酒類の出荷量】
酒類の出荷量は平成11年(1999年)がピーク。令和2年(2020年)にはピーク時の約8割となっています。
また、各酒類の出荷量の構成は時代とともに大きく変化しています!
特に昭和50年代からトップを走り続けていたビール。ビアガーデンやビアホールの流行もありましたが、現在は大幅に出荷量が減少し、一方でリキュールの出荷量が伸びています。
これはビールから低価格の発泡酒やチューハイに消費が移行していることが一因と考えられます。

【日本酒(清酒)の出荷量】
日本酒の出荷量は昭和48年(1973年)のピーク時から令和2年(2020年)には3割以下にまで減少しています。
日本酒の出荷・消費が減った理由としては下記が考えられます。

■少子高齢化・・・現役世代と比べ飲酒量が減る
■人口減少・・・飲酒人口が減る
■消費者の低価格志向・・・手軽に手に入るお酒が人気で、日本酒を選びにくい
■ライフスタイルの変化・・・健康志向が高まりお酒を飲まない人が増えた
■嗜好の多様化・・・選択肢が増え需要が分散

日本酒が最も飲まれていたのは高度経済成長期後期。
その頃は酒米も配給制で量が足りず、良い酒を造ることが困難でした。
そして少ない酒米からどれだけいい酒を造っても、公定価格により販売価格を上げることは出来ませんでした。
その為、「良いものを造る」という努力を怠り質の悪い安価な酒が主流となってしまったのです。
飲むと悪酔いする・二日酔いしやすいなど、その頃の日本酒の悪いイメージが今でもまだ残っていること、また、専門用語の並んだラベルを見て「なんとなく難しそう」というイメージから若者が日本酒を選択しにくくなっていることも一因と言われています。

【日本酒の出荷金額と単価】
出荷量・消費量は減少傾向にありますが、単価は上昇し、出荷金額も平成24年(2012年)から少しずつ増加してきているのです。
これは、高付加価値の商品の需要の高まりを表していると考えられます。
嗜好の多様化で需要が分散し、日本酒に求められるものが変わりつつあります。
価値ある良い日本酒を造る企業が増え、日本酒を買うなら、より価値の高い商品を買いたい消費者が増えているのです。

日本酒業界では現在、多くの企業で革新的な取り組みが行われています。
グローバル展開、高級日本酒やニュージャンルなどの新しい市場に挑戦し、日本酒市場を切り開いているのです!
それは伝統を守るための革新であり、まだ始まったばかり。
新・日本酒が生まれ始めている今が一番、面白い日本酒と出会えるときなのかもしれません。

 

 

Instagramはこちら♪

関連記事